日本で使用されていますパーマ剤の主成分である還元剤(主成分)を紹介します。
これらの還元剤は毛髪内部のシスチン結合(ジスルフィド結合)を切断し、パーマや縮毛矯正をかける際の形状変化を可能にします。
1. チオグリコール酸 (Thioglycolic Acid)
分子量 : 約 92.11 g/mol
主にアルカリ性のパーマ液(コールドパーマ)で使用される一般的な還元剤。
2. システイン (Cysteine)
分子量 : 約 121.16 g/mol
チオグリコール酸に比べて毛髪への負担が少ないため、ダメージの軽減を目的とした製品で使われる。
3. システアミン (Cysteamine)
分子量 : 約 77.15 g/mol
独特の匂いがありますが、効果が高く、最近のパーマ液に多く採用される。
4. 硫化水素 (Hydrogen Sulfide)
分子量 : 約 34.08 g/mol
昔ながらのパーマ液に使用されていましたが、匂いや取り扱いの面で減少。
5. チオ乳酸 (Thiolactic Acid)
分子量 : 約 106.12 g/mol
チオグリコール酸の代替として使われることもあります。
6. スピエラ(ブチロラクトンチオール / γ-ブチロラクトンチオール)
化学名 : γ-ブチロラクトン-2-チオール
分子量 : 約 118.15 g/mol
毛髪ダメージが少なく、主に酸性パーマ液に使用されます。
7. GMT(グリセリンモノチオグリコレート)
分子量 : 約 170.18 g/mol
高い保湿性を持ち、ダメージを抑えつつ効果的に作用する酸性還元剤。
8. サルファイト(亜硫酸塩 / Sodium Sulfite)
化学名 : 亜硫酸ナトリウム(Na₂SO₃)
分子量 : 約 126.04 g/mol
弱い還元作用を持つため、補助的な還元剤として使用されることが多い。
9. チオグリセリン(Thioglycerin)
化学名 : 3-メルカプトプロパン-1,2-ジオール
分子量 : 約 108.14 g/mol
保湿効果が高く、髪への負担が少ない還元剤
10. チオグリコール酸システアミン(thioglycolic acid cysteamine)
化学名 : 3-メルカプトプロパン-1,2-ジオール
分子量 : 約 121.19 g/mol
チオグリコール酸(mercaptoacetic acid)とシステアミン(cysteamine)が結合した化合物。アンモニアや他のアルカリ性成分に比べて、臭気が比較的少ないとされています
以上の還元剤は分子量が小さいため、毛髪のキューティクルを通過してコルテックスに浸透し、コルテックスやキューティクルのジスルフィド結合を効果的に切断することができます。
これらの還元剤は、毛髪内で反応する場所が違ったり アルカリ・弱アルカリ・中性・弱酸性・酸性領域で反応強度に差があります。
3のシステアミンは、分子量が小さいので毛髪の中心部まで浸透すると説明している美容師さんがいますが、実際は毛髪のコルテックスの外側キューティクル近くで主に作用します。
6のスピエラ(ブチロラクトンチオール / γ-ブチロラクトンチオール)はラクトン環を持つ特殊な還元剤で、毛髪が安定した弱酸性領域(PH4.5~5.5)でも作用します。ダメージが最小限で済みますが、パーマの持ちは弱くなります。
プレフェレでは、毛髪のコンディションを見極め適切な還元剤の選択や濃度、PHバランスを調整し施術致しております。
注意
15レベル以上のハイトーンブリーチをせれていらっしゃる方は、エピキューティクル膜が破壊されている可能性があります。
その部分は、お寿司の「のり巻き」が数カ所、海苔が破れてご飯粒がむき出しになっている状態をイメージしてください。

右のダメージレベルなら何とか施術可能かもしれません
が、注意が必要です

上の写真の状態は何も出来ません

のり巻きの穴の開いた髪です
その場合は、パーマや縮毛矯正が、綺麗にかかりませんので無理をしてかけないことをお勧めします。
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