一般的よく使われる[白髪染め]や[おしゃれ染め]の薬剤は、酸化染毛剤と言います。
プレフェレでは、酸化染料の使用時には以下の事項に注意しながら施術致しております。
酸化染毛剤は、主にアルカリ剤と酸化剤を含む製品で、髪を染める際に化学反応を利用します。しかし、その過程で毛髪にダメージを与えるメカニズムがいくつかあります。以下に詳しく解説します。
●酸化染毛剤の基本構造と作用
1. 主成分:
アルカリ剤(通常アンモニア):毛髪のキューティクルを開き、染料や酸化剤が髪内部(コルテックス)に浸透するのを助けます。
酸化剤(通常過酸化水素):毛髪内のメラニン色素を脱色する。
染料中の前駆体(パラフェニレンジアミンなど)を酸化させて発色させる。
染料前駆体:酸化反応で結合し、発色して大きな染料分子を作り、髪に色を定着させます。
2. 基本的なプロセス:
1. アルカリ剤によって髪の表面のキューティクルが開く。
2. 酸化剤が髪内部に浸透し、メラニン色素を酸化・脱色。
3. 染料前駆体が酸化反応を起こし、発色して髪内部に定着。
●毛髪に対するダメージメカニズム
酸化染毛剤のダメージは、主にキューティクルとコルテックスに影響を及ぼします。
1. キューティクルへのダメージ
キューティクルは毛髪を外部から守るバリアですが、以下のメカニズムで損傷します。
アルカリ剤による開放:キューティクルを強制的に開くことで、剥がれや欠損を引き起こします。これにより、髪が粗くなり、ツヤを失います。
酸化剤による損傷:過酸化水素はキューティクルの脂質成分(18-MEAや細胞間脂質)を酸化・分解します。この結果、キューティクル層の接着力が弱まり、剥離や摩擦が増加します。
物理的ダメージの促進: 一度損傷したキューティクルは、外部からの摩擦や熱によるダメージを受けやすくなります。
2. コルテックスへのダメージ
コルテックスは髪の内部構造を形成し、強度や弾力性を担いますが、酸化染毛剤の影響で以下のようなダメージが生じます。
メラニン色素の酸化: 酸化剤はメラニンを分解して脱色しますが、その際にフリーラジカル(活性酸素種)が発生します。フリーラジカルは、周囲のタンパク質や脂質を攻撃し、コルテックスのタンパク質(ケラチン)を変性させます。
タンパク質の変性:ケラチン内のシステイン(アミノ酸)が酸化され、ジスルフィド結合(S-S結合)が切断されます。この結果、髪の強度や弾力性が低下します。
水分保持能力の低下:コルテックス内部の細胞間脂質やタンパク質が損傷すると、水分保持力が低下します。髪が乾燥しやすくなり、切れ毛や枝毛が発生します。
3. 細胞間脂質(CMC)の損傷
細胞間脂質(CMC)は、キューティクルやコルテックス細胞間を埋める脂質成分で、水分保持や柔軟性を支えています。
酸化剤はCMC内の脂質を酸化・分解し、構造を破壊します。
これにより、髪が乾燥しやすくなる。
また、ダメージの修復能力も低下します。
●酸化染毛剤のダメージが引き起こす結果
1. 外見的変化
ツヤの喪失:キューティクルの損傷により、光の反射が乱れる。
手触りの悪化:髪がゴワゴワしたり絡まりやすくなる。
色落ち:キューティクルが剥がれると染料が流出しやすくなる。
2. 構造的変化
強度の低下:髪が切れやすくなる。
柔軟性の低下:髪が折れやすくなる。
水分保持力の低下:乾燥やパサつきが進む。
3. 長期的な影響
繰り返し染毛すると、キューティクルが完全に失われる部分が発生し、髪が極端に傷みやすくなる。コルテックスの変性が進むと、修復が困難な状態になります。
●ダメージを抑える方法
1. 前処理剤・後処理剤を使用
染毛前に保護剤を塗布して、ダメージを軽減。
染毛後は、タンパク質やCMC成分を補充するトリートメントでケア。
カタラーゼ酵素などを使い活性酸素を除去する。
2. 適切な頻度で染毛
過度な染毛を避け、リタッチ(根元染め)を活用してダメージを最小限にする。
3. 低アルカリ性染毛剤の使用
髪や頭皮への負担が少ない低アルカリ性やノンアルカリ性の製品を選ぶ。
4. ヘアケア製品の使用
髪の補修に効果的な成分(セラミド、ケラチン、CMC補充成分)を含むシャンプーやトリートメントを使用。
5. UVや熱ダメージの保護
ヒートプロテクト剤やUVカットスプレーを活用して、染毛後の髪を保護。
酸化染毛剤は効果的に髪を染める一方で、毛髪構造に深刻なダメージを与える可能性があります。そのため、正しいケアや保護対策がとても重要です!
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