秋、紅葉の北アルプスが一年で最も美しく輝く季節。
この時期の登山は、山全体が赤や黄色に染まり、どこを歩いても息をのむ景色が広がります。
今回は、本沢から前常念岳、常念岳、蝶槍、蝶ヶ岳を周回した時のレポートです。
北アルプスの雄大さと秋の彩りを堪能できる最高のルートでした!

ルート概要
スタート地点:本沢(標高約1,150m)
主なピーク:
前常念岳(標高2,661m)
常念岳(標高2,857m)
蝶槍(標高2,671m)
蝶ヶ岳(標高2,677m)
ゴール地点:本沢(周回)
コースタイム:約10~12時間(個人差あり)
紅葉の時期は、朝夕の冷え込みが厳しくなるため、防寒具の準備と天候のチェックは必須。水分や行動食も多めに持参しました。
本沢から前常念岳へ
早朝5時半、本沢の登山口からスタート。まだ暗い中、ヘッドランプを点けて歩き始めます。秋の冷たい空気が肌を刺しますが、次第に空が明るくなり、木々の紅葉がはっきり見えてくると気持ちが高まります。

前常念岳へのルートは急登が続きますが、麓の紅葉と遠くに広がる山々がパノラマのように広がります。標高を上げるにつれて、徐々に色づきが深まり、空気も澄んできました。

三点支持で岩場を登り更に標高を上げ振り返ると 富士山や八ヶ岳に南アルプスの山々が見えてきました。


前常念岳頂上に到着したのは午前9時半頃。前常念岳からは、目の前にそびえる常念岳が堂々とした姿を見せ、その奥には槍ヶ岳や穂高連峰も望めました。朝日を浴びて輝く山々の景色は、言葉では言い尽くせない美しさでした。

常念岳の絶景
前常念岳から常念岳までは、雪が残る稜線歩き。風が強い日もありますが、この日は幸運にも穏やかな天気に恵まれました。

標高2,857mの常念岳山頂では、360度の大パノラマが広がります。
槍ヶ岳が正面に見えるこの場所は、北アルプスの中でも特に人気のあるビューポイントです。

ここで少し休憩を取り、行動食としてプロテインバーとコーヒーでリフレッシュ。山頂で味わう温かいコーヒーは格別です。
蝶槍、蝶ヶ岳へ
常念岳から蝶槍までは、アップダウンがありつつも比較的歩きやすい道が続きます。

途中、樹林帯を抜けると紅葉の絨毯が広がり、どこを切り取っても絵になる風景ばかり。
蝶槍の山頂からは、これまで歩いてきたルートを振り返ることができ、達成感を味わえます。


蝶槍から蝶ヶ岳へは約1時間。
蝶ヶ岳の手前には、雷鳥が必ずいるスポットがあります。

蝶ヶ岳の山頂では再び槍ヶ岳や穂高連峰を一望できるだけでなく、常念岳も振り返ることができます。


この時期は紅葉がピークを迎え、山々が赤や黄色に染まり、まさに「北アルプスの秋」を堪能できる瞬間でした。


本沢へ下山
蝶ヶ岳から本沢への下山ルートは、最初は急な坂が続きますが、次第に樹林帯の中を歩く穏やかな道になります。
午後になると日差しが柔らかくなり、紅葉がさらに鮮やかに見えました。

4分の3下ったところにある「ゴジラの木」もう少しで本沢
無事に本沢登山口へ戻ったのは夕方5時頃。
休憩を入れて約2時間の山行になりました。
充実感と心地よい疲れが残り、心から「山っていいな」と思える一日でした。

登山口にはサルの群れが、私たちに気づくと逃げて行ってしまいました。
このルートは、北アルプスの絶景と紅葉を存分に味わえる素晴らしいコースです。
ただし、秋の山は日没が早く、気温が急激に下がることもあるので、余裕を持った行動計画と万全の準備が必要です。
特に、防寒着やヘッドランプ、予備のバッテリーは必携。また、紅葉の時期は登山者が多いので、山小屋の利用を検討する場合は早めの予約がおすすめです。
北アルプスの秋を楽しみたい方には、この周回コースをぜひ体験していただきたいと思います。大自然の中で過ごす時間は、日常を忘れさせてくれる特別なひとときです。
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